火葬場がない自治体から「越境」…浦添・豊見城で混雑 建設計画めどたたず


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 「火葬までの待ち時間が長引いている」。りゅうちゃんねる取材班に寄せられた情報に基づいて取材を進めると、本島南部と離島の15市町村で構成する「南部広域市町村圏事務組合」が管理運営する、いなんせ斎苑(浦添市)や南斎場(豊見城市)の二つの火葬場で、中部など南部圏域外からの利用者が2割以上を占めている現状が浮き彫りになった。特に南斎場は中部からの割合が年々上昇している。2015年度まで2~3割に満たなかったが、20年度は1月末時点で3020件のうち27・7%(838件)を中部が占めた。

 中部は火葬場のない自治体が集中し、住民は遠方や周辺の自治体の施設を利用せざるを得ない状況にある。火葬場がない宜野湾市、北谷町、西原町、北中城村、中城村の5市町村は、公営施設建設を計画していたが、候補に挙がった地元の反対や財源確保のめどがたたず、16年に白紙になった。

 読谷村には村営の火葬場がある。協定を結ぶ嘉手納町、北谷町の住民は、それ以外の市町村の住民より安く利用できる。利用実績は読谷村分と、この2町分とで同規模だという。民営の火葬場がある沖縄市は、将来的な火葬需要に対応するため公営施設の建設に向けた検討を進めている。

(當山幸都、名嘉一心)

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