芸道の覚悟胸に舞 玉城流翔節会 新会主ら師へ感謝込め


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
「茶屋の月」を踊る(左から)神山典子、平良恵子、島尻ひさみ、上里初枝、我如古磨佐子、中川鈴子=2月27日、那覇市の琉球新報ホール

 琉球舞踊の玉城流翔節会(玉城節子家元)が2月27日、那覇市の琉球新報ホールで新会主公演「春にゆらてぃ」を開催した。昨年9月に免状を授与された新会主の中川鈴子、上里初枝、島尻ひさみ、我如古磨佐子、瑞慶山和子、神山典子、平良恵子が出演した。師への感謝と芸道への覚悟を胸に、独舞を中心に12演目を披露した。琉球新報社企画「新報アートルネッサンス 新歩の時」の一環。

 玉城家元の「かぎやで風」で厳粛に幕を開けた。弟子たちに芸道の厳しさを示すように、静かな中に気迫を感じさせた。続いて6人の新会主で「茶屋の月」(玉城家元振り付け、照喜名朝一作詞)を幻想的に踊った。

「瓦屋」を踊る瑞慶山和子

 神山の独舞「女こてい節」、平良の独舞「稲まづん」はいずれも固さがあったが、両者による打組踊り「恋の花」では一転、表情もあでやかに軽やかに舞い、舞台を盛り上げた。島尻の独舞「花風」は、曲の世界に溶け込むような表情と丁寧な音の取り方で観客を引き付けた。ほか独舞では中川が「浜千鳥」、我如古が「むんじゅるー」、上里が「護身の舞」を踊った。「金細工」が踊られ、最後は創作舞踊「春らんまん」で華やかに幕を閉じた。

 会主を代表して玉城家元に花束を手渡した中川は「初心に返り、稽古を重ねてきた。家元のおかげで、今日の舞台に立てた。7人力を合わせて、熱心に芸能と向き合っていきたい」と話した。

 玉城家元は「コロナ禍で練習が難しい中でも、新会主は懸命に稽古についてきていた。今後も自身の芸を高めて、次世代に世界に誇れる琉球舞踊の良さを伝え、発信していってほしい」と激励した。 (藤村謙吾)