県内のみならず、全国で米軍機の低空飛行が相次ぐ要因として考えられるのは、ひとつは新型コロナウイルス感染拡大の影響だ。
米軍には訓練のノルマが課せられている。昨年前半は、コロナの影響で予定の訓練がこなせなかったと聞いている。
本来は、日本国外でやるべき訓練を在日米軍基地の近くで実施している可能性がある。
もう一つは、対中国をにらんだ新たな戦略に基づいた訓練を実施しているとも予想される。
米軍は中国と第一列島線上で対立する戦略を立てている。海兵隊を中心とした作戦部隊を西太平洋の島々に上陸させ、中国と対峙(たいじ)するという作戦だ。
中国との有事を想定し、海岸線を調査したり、敵に見つからないように飛行したりする訓練の一環かもしれない。
ただ、米軍がどこまで「オレンジルート」を意識しているのか定かではなく、中国・四国地方が訓練の枠組みにどう組み込まれているのかは不明だ。