【島人の目】本部町勢要覧に見入って


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 2020年の年末、カリフォルニア州のわが家に本部町(平良武康町長)から立派な印刷物が届いた。ノートブックサイズの「本部町町勢要覧2020 あっと@もとぶ」と銘打った、本部町の紹介と今後の計画書である。

 表紙をめくると「円錐(えんすい)カルストから眺める本部町の夕日」と題された写真と共に、平良町長のあいさつが載っている。サンゴ礁に彩られた青い海と輝く太陽、緑滴る野山の様子も掲載している。その印象は、雨の少ない米カリフォルニア州に長年住んでいる私に、表現できないほどの強烈なインパクトを与えた。

 第4次本部町総合計画として、産業・経済、都市・集落環境などの景観保全と健康・福祉、生活環境、教育・文化、安全・コミュニティーなど、さまざまな分野で施策を掲げる。本部町も随分と発展したものだと感慨にふけった。

 私は本部町新里で當銘直光・ナヘの両親のもとに生まれた。6人きょうだい全員が上本部中学校を卒業し、全員健在である。そのうち3人が琉球大学を卒業した。長男の正幸は長年、特別支援教育に専念し、沖縄社会に貢献したとして叙勲を受けた。

 三男の貞夫が本部町を後にして、米カリフォルニア州に渡って50年。故郷の本部町に何か残すことができたらと思い過去5回、世界のウチナーンチュ大会の開催時に、出身校の上本部中学校で「アメリカ生活について」をテーマに講演をした。カリフォルニア州で農業に取り組みながら大学で学び、沖縄県人会の会長や琉球新報の海外通信員として20年以上にわたり日米親善に貢献した。2006年に大日本農会より「緑白綬有功賞」を授かったことなどが、懐かしい思い出として残っている。

 (当銘貞夫ロサンゼルス通信員)