やり方変えて男性と同じ責任果たす 近代美術社長、碧の会会長・大城恵美さん<国際女性デー>


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「後輩たちのドアを開けるよう声を上げたい」と話す県中小企業家同友会の女性経営者部会「碧の会」会長で近代美術社長の大城恵美さん=南風原町の同社

 県中小企業家同友会の女性組織「女性経営者部会・碧の会」。全国初で「経営者」との言葉を入れ、「社長の妻」などではない女性経営者としての誇りを込める。碧の会の会長で近代美術(南風原町)の社長を務める大城恵美さん(46)は「碧の会での出会いが心のよりどころになっている」と話す。

 3人の子を育てながら2代目として父新正さんの後を継いだ。「男性と同じようにちゃんとしなきゃ」と肩に力が入った一方、古い友人でも経営者同士でなければ悩みはかみ合わない。男性経営者には子育てとの両立は話しづらかった。帰宅は夜になり、出張も多い。短時間での子育てに追われる一方、学校や地域では「早寝早起き朝ご飯」が推奨される。子どもたちがちゃんと育つのか不安で仕方なかったという。「全部吹っ切れた」のが碧の会での出会いだった。今以上に女性が働くことが厳しかった時代に子どもを育て上げた女性経営者の先輩たちが「大丈夫よ」と受け止め、背中を押してくれた。子どもとの時間は「量ではなく質」との言葉は今も支えになっている。

 会社では創業者のように「接待やゴルフはできない」と宣言しているという。「男性と同じことはできないが、やり方を変えて同じ責任を果たすことはできる」。先輩たちがドアを開けてくれて今があると思うからこそ、後輩にもドアを開けられるよう「みんなが同じ機会を得られるよう声を上げていきたい」と話した。
 (黒田華)