金城雅春さん死去 ハンセン病を啓発、愛楽園自治会長 67歳


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
     金城雅春さん

 【名護】ハンセン病回復者で、沖縄愛楽園(名護市済井出)の自治会長の金城雅春(きんじょう・まさはる)さんが8日午前7時20分、同園で死去した。67歳。ハンセン病国家賠償訴訟で沖縄愛楽園原告団長を務めたほか、2015年6月に開所した愛楽園交流会館の企画運営を担うなど、ハンセン病に関する誤った認識を正し、強制隔離政策の歴史を後世に伝える活動に尽力してきた。

 告別式は9日午後0時40分から、名護市済井出の愛楽園で。親族や入所者、職員などで執り行う予定で、外部からの出席は受け付けない。

 1954年大宜味村生まれ。石垣市の小中学校を卒業後、本島内の高校在学中にハンセン病を発症。80年に国立療養所沖縄愛楽園に入所した。90~93年、2000~06年にも自治会長を務めており、10年から3回目の会長職に就任していた。

 金城さんらが編集・発刊した「沖縄県ハンセン病証言集」は07年、反核や平和などに関する優れた作品を報道・発表した個人・団体に贈る「平和・協同ジャーナリスト基金(PCJF)賞」の奨励賞を受賞した。

 金城さんは今夏の東京五輪に向けた聖火リレーのランナーにも選ばれていた。