自衛隊使用で防衛相「省庁間で相談」 下地島空港検討を示唆


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
海上から臨む下地島空港=2019年、宮古島市(提供)

 【東京】岸信夫防衛相は5日の参院予算委員会で、下地島空港(宮古島市)の自衛隊による使用について「今後、省庁間で相談してまいりたい」と述べ、今後、検討する可能性を示唆した。同空港の軍事利用はしないとする「屋良覚書」(1971年)などの存在から防衛省内には慎重論が強い。赤羽一嘉国土交通相は「必要があればその必要に応じ、関係者から意見を聞きながら適切に対応したい」と、慎重姿勢を示した。佐藤正久氏(自民)への答弁。

 岸氏は、自衛隊が同空港を使う利点を問われ「(尖閣諸島と)距離が近く、結果的に現場に早期に到達できる」と説明した。

 佐藤氏から対応を求められた赤羽氏は「国防に関することであり、私から発議するのはちょっとおかしな話だ」と述べた。検討する場合は「県管理空港であり、当然のことながら県も交えなければいけない」と述べるにとどめた。

 防衛省は9日、本紙の取材に「(同空港を)自衛隊で使う話はない」と述べ、検討を否定した。