PAC3の訓練実施に「遺憾」 周辺首長が基地強化を懸念


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米軍基地内から国道58号に出る自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)=10日午後1時10分ごろ、北谷町の米空軍嘉手納基地第1ゲート

 【中部】那覇基地の航空自衛隊が10日、米軍嘉手納基地の一部を共同使用し、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)などの機動展開訓練を実施したことを受け、嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協、会長・當山宏嘉手納町長)の各首長は「遺憾」の意を示した。三連協は訓練に先立ち、自衛隊による同基地の共同使用を避けるよう沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に抗議・要請文を提出していた。

 當山町長は、今回の共同使用を機に嘉手納基地での訓練拡大につながる恐れを危惧した上で「基地機能強化は一貫して認めない。地域住民の負担増はあってはならない」と批判した。

 桑江朝千夫沖縄市長は「一定程度理解しているが、基地機能強化の懸念は拭えない」と憤り、15日にも訓練が実施されることから「住民の安全を第一に配慮していただきたい」と述べた。

 野国昌春北谷町長は「米軍再編協議で合意された基地負担の軽減に逆行しており、認められるものではない」と強調。事前の抗議声明に反して強行されたことに遺憾の意を示した。