<市町村防災アンケート>災害時の行政機能「継続計画」9市町村が未策定 代替庁舎や電気・水確保など 


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 東日本大震災の発生から11日で10年を迎えるのを前に、琉球新報は全市町村を対象にした防災アンケートを実施した。

 災害時に行政機能の維持を図る業務継続計画を「策定していない」市町村が9市町村(22%)あることが分かった。昨年6月1日時点の総務省消防庁の調査によると、全国の自治体の未策定率は5.7%で、全国に比べ県内は対策が遅れている。

 東日本大震災を機に重要性に対する認識が高まった。政府は重要6要素として(1)首長不在時の代行順位と職員の参集体制(2)代替庁舎の特定(3)電気、水、食料等の確保(4)通信手段の確保(5)行政データのバックアップ(6)非常時優先業務の整理―を地域防災計画などに盛り込むよう求めている。

 未策定なのは宜野座村、本部町、金武町、南城市、西原町、南風原町、南大東村、多良間村、石垣市。

 琉球新報が2016年に実施したアンケート調査では5市村のみが策定済みで、9割にあたる36市町村が未策定だった。この5年間で27市町村が策定を進めた。

 一方で、今回のアンケートで「策定している」と回答している32市町村でも、政府が求める6要素をすべて満たしているわけではない。ある市町村の担当者は、首長の不在時の代行などは「災害に関係なく、定められているので、その項目をクリアしているだけだ。内容的に充実しているわけではない」とし、1要素のみ満たしているところもある。

 総務省消防庁の調査では「策定している」県内市町村のうち、13市町村が地域防災計画とは別に独立した計画書を定めていると回答している。