東日本大震災の鎮魂、沖縄からも 県内在住避難者らが犠牲者の冥福を祈り黙とう


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震災の犠牲者に黙とうをささげる参加者たち=11日午後2時46分、糸満市の長谷寺(大城直也撮影)

 東日本大震災から10年となった11日午後2時46分、糸満市潮平の長谷寺に、福島県からの避難者でつくる沖縄じゃんがら会(桜井野亜代表)の会員や近隣住民ら約20人が集まり、震災で犠牲になった人たちを追悼した。集まった人々は「忘れない」などと語り、黙とうした。

 会場の後列でぎゅっと目をつむり、手を合わせていたのは福島県郡山市から移り住んだ桜井代表の長女・そらさん(19)。小学3年で震災を経験した。「すごい長い時間だった。記憶が薄れるのは、どうしようもないかもしれないけど、この日だけでもみんなが震災のことを考えてほしい」と思いを込めた。

 涙を拭いながら黙とうした糸満市の宮良源次郎さん(74)は震災当時、福島県いわき市在住の娘を案じてテレビにかじりついた。娘は無事だったが「あの日の光景が目に焼き付いている。できるだけ追悼に参加したい」と話した。

 黙とうは沖縄じゃんがら会が開いた集い「3・11心の相談会」に合わせて行われた。

 例年は多くの人々が集まるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、人数を制限した。桜井代表は「コロナ禍の中、みんなで手を合わせて、集まれたのは良かった」と語った。