正殿の扁額3枚を県が寄付で復元 首里城復元技術検討委


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2019年10月31日に焼失した首里城正殿前の大龍柱(吽形)。阿形と吽形の2体の大龍柱は向かい合わせに立っていた=2013年9月、那覇市

 国の「首里城復元に向けた技術検討委員会」(委員長・高良倉吉琉球大名誉教授)の彩色・彫刻ワーキンググループ(WG)会議の会合が10日、那覇市の沖縄総合事務局であった。県は寄付金を活用し、正殿の3枚の扁額(へんがく)の復元に取り組むことを報告した。次年度に有識者委員会を設置する。

 WG内に発足した作業チームは次年度も引き続き、大龍柱の向きなどを検証する。1877年にフランス人が撮影した写真や、古文書による分析・検証について高良委員長は「大龍柱の向きだけでなく、高欄の変遷という中で位置付け、どのような変更がどんな理由でなされたのか、研究者と連携し検討していく」と説明した。

 21年度は大龍柱の向きや瓦の文様など正殿の建築デザインなどを新たな知見も踏まえて検討する。技術者の確保や育成に向けた課題も洗い出す。