コロニア・オキナワの大豆、石垣に 「OKINAWA to沖縄」企画 県出身者から直輸入


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ボリビアから輸出する飼料用大豆を袋詰めするCAICOの従業員=2月1日、コロニア沖縄農牧総合協同組合

 沖縄県出身者が開拓したオキナワ移住地「コロニア・オキナワ」で栽培・加工された全脂大豆が2月1日、コロニア沖縄農牧総合協同組合(CAICO)から石垣市へ輸出された。那覇市出身の島袋正克さんが代表を務める「ISHIMA S.R.L社」が仲介し、石垣牛の飼料として活用される。出荷された全脂大豆はチリで船積みされ、石垣港には3月20日に到着予定だ。

 オキナワ移住地から出荷した大豆を直輸入するのは、石垣牛などを生産・販売する農業生産法人ゆいまーる牧場(石垣市、金城利憲会長)。同社は昨年、サンタクルス市の搾油工場から、ISHIMA社を介して大豆粕20トンを試験的に輸入した。金城会長が進める「OKINAWA to 沖縄」プロジェクトの実現のため、今回、沖縄県出身者が生産した20トンの全脂大豆を、初めて輸入することとなった。

 ゆいまーる牧場はこれまで、外国産の大豆粕を商社から仕入れていた。金城代表は「ボリビアの大豆生産者から直輸入することで、飼料コストを削減することが可能となった」と話した。

 ISHIMA社の島袋代表は「沖縄出身者がオキナワ移住地に入植して67年が過ぎた。移住者の作物が海を渡り、初めて母県に里帰りする。『OKINAWA To 沖縄』は商品だけでなく、ウチナーンチュの思いも届けようというプロジェクトだ」と強調。「沖縄の皆さまには、移住者の作物を『おかえり』と温かく迎えてほしい。このプロジェクトへの賛同者が増えることを期待している」と話した。

(安里玉元三奈美通信員)