酒粕から焼酎 田神プロジェクトが来月発売


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粕取焼酎を造るために、日本酒の酒粕をかき混ぜる田神(タヌカン)プロジェクトの田﨑聡プロジェクトリーダー(右)と神谷酒造所の神谷雅樹工場長(左)=12日、八重瀬町世名城の神谷酒造所

 日本酒を造る際に生じる酒粕(かす)を原料にした「粕取焼酎」の製造を目指す「田神(タヌカン)プロジェクト」は12日、沖縄県八重瀬町の神谷酒造所で酒粕の蒸留作業を実施した。4月に商品として発売する予定。

 プロジェクトリーダーを務める食の風(豊見城市)の田﨑聡代表理事によると、粕取焼酎は全国約1700カ所の日本酒蔵のうち、約170蔵で製造されている。日本酒の豊かな吟醸香と、焼酎のすっきりとした飲み口を併せ持ち、糖質とプリン体がないことも人気という。

 同プロジェクトは、県内で唯一、日本酒を造っている泰石酒造(うるま市)から酒粕を買い受け、泡盛メーカーの神谷酒造所で蒸留した。酒粕に水を加えて溶かし、半分程度を減圧蒸留し、残りは13日以降に常圧蒸留する。

 田﨑氏は「将来的には、沖縄産米で日本酒を造り、その酒粕から焼酎を、さらに残った粕は肥料にして米を育て、循環させていきたい」と話した。