沖縄の観光事業者がコロナ雇用調整助成金600万円を不正受給 退職者を在職者と偽る


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  沖縄本島中部の観光関連事業者が新型コロナウイルスの影響で休業した際、従業員に支払う休業手当の一部を補填(ほてん)する雇用調整助成金(雇調金)約600万円を不正に受給したことが、15日までに分かった。新型コロナに関する雇調金の不正受給は県内で初めて。本紙の取材に対し沖縄労働局が明らかにした。

 同社は、退職した複数の元職員を在職者と偽って休業手当の助成を申請し、雇調金を不正に受給。労働局の調査で発覚した。県が独自に行う雇調金の上乗せ助成は受給していないという。

 沖縄労働局は2月26日に不正受給額と違約金約120万円の計約720万円を一括返済するよう求める処分を下した。同社は不正受給を認め、返還の意思を示しているという。

 今月5日時点で県内の雇調金申請件数は4万3595件で、支給決定件数は4万2313件に上る。県内で不正受給が確認できたのは1社のみだが、担当者は「支給件数が多いので、今後も増える可能性がある」と指摘した。

 雇調金を不正に受給した場合、受給額の2割に当たる違約金納付のほか、雇用関係の助成金が5年間不支給となる。さらに事業所名が公表されたり詐欺罪などで告発される場合もある。

 沖縄労働局は「今回は企業名の公表事案ではない」とした。

 「非公表」の基となる具体的な基準については、基準をすり抜けることを意図した不正受給が発生する可能性が懸念されるとして明らかにしなかった。
 同局担当者は「不安に感じていたら、速やかに問い合わせてほしい」と呼び掛けた。雇調金の不正受給に関する相談は、沖縄労働局職業対策課(電話)098(868)3701。