契約が変更されること自体は珍しいことではないが、名護市辺野古の埋め立て工事の場合は契約額が無限大に増える恐れがある。場当たり的に何度も契約を見直し、最終的にいくらになるかも分からないのは、極めて異常だ。
契約額が大幅に変わるならば改めて入札にかけるべきだ。同じ業者とずっと契約を続けている。随意契約と変わらないのではないか。
費用が伸びる要因の一つは警備費とみられる。東京電力福島第1原発事故に伴う除染作業でも人件費が膨れ上がった例がある。福島の場合は厳しい作業で多くの人を集めなければいけない特殊な状況があったが、辺野古の場合は違う。
米軍普天間飛行場の辺野古移設が至上命令となり、金額がいくらかかるか、工期が何年かかるかが考慮されず、タブーになっている。役人も虚無感があるのではないか。
工事が終わるまでには首相も官僚も変わり、事業について誰も責任を取らないものになる。辺野古の埋め立て事業は公共工事の負の特徴を象徴的に表している。
(公共事業論)