普天間代替の完成は困難 米シンクタンクが報告書 昨年に続き問題指摘


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 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が18日に発行した2021米会計年度の米国の軍事力に関する報告書で、CSIS国際安全保障プログラムの上級顧問マーク・カンチアン氏は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を「代替施設が完成する可能性は低そうだ」と改めて困難視した。移設計画は問題が続き、「完成時期も2030年まで延び、費用は急騰している」と課題を挙げた。カンチアン氏は昨年11月の報告書でも同様の指摘をしている。

 また、沖縄の海兵隊の多くをグアムやハワイなどに分散する計画について、現行計画では27年までに、沖縄に残る海兵隊員の数が半分の1万1500人になる見通しと指摘した。一方、日本政府は多額の投資でグアムに新施設を建設しているが、移駐の時期はずれ込み続けていると説明した。在沖海兵隊の移転先となるグアムの新基地「キャンプ・ブラズ」の運用が昨年始まったが、1300人が常駐、3700人がローテーション配備になり、5千人の部隊全員が常駐する見込みから変更になったと指摘した。

 米軍再編の動きについて世界各地に兵力を分散させる戦略的な意義はあるが、「現実は地元の政治や地域の緊張、大規模工事に伴う避けがたい問題があり、実現は非常に難しい」としている。

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