アイルランドで琉舞の魅力を発信 浦添市出身・嘉数さん コロナ禍でもSNSを活用


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「着物大学」の着物コンテストで準グランプリを受賞した嘉数奈々さん

 浦添市出身の嘉数奈々さん(24)が、アイルランド南部の第2の都市、人口約12万人のコークに滞在し、琉球舞踊家として活躍した。奈々さんは4歳から柳清本流紋園順乃会・上間順子氏の下に入門、琉球舞踊を習い始めた。高校生で琉球古典芸能コンクールの新人賞を受賞。平敷勇也さん主宰の「創作舞踊集団 結華」に高校時代から所属し、沖縄を代表する若い世代の舞踊家と共に舞台に立った。

 高校卒業後は、東京で踊りの仕事をしながら琉球古典芸能コンクールの優秀賞、最高賞を受賞するなど、踊りに磨きをかけた。

 昨年から活動の幅を広げてアイルランドへ渡った。新型コロナウイルス変異株の感染者が確認され、ロックダウン措置の発令で出演予定のイベントは全て中止となったが、ユーチューブ配信やSNSを通して、アイルランドの生活や琉舞の魅力、踊りを伝えている。ハワイアンフラやアイリッシュの踊り、インドの民族舞踊など海外の伝統芸能と琉舞を融合した踊りにも挑戦している。

 奈々さんは「自国の芸能はもちろん、海外の芸能、舞踊を知ることで、自分の踊りの幅も広がる。創作に対しての表現力など新しい発見がたくさんある」と語る。毎日が試行錯誤だが、街中で声を掛けられることもあるという。紅型を身に着けて投稿した写真は、着物大学主催の着物フォトコンテストで準グランプリを受賞するなど、認知度が高まっている。

 奈々さんは「振り返ると踊りが好きな自分がいる」と実感する。

 アイルランドでは、沖縄や沖縄の芸能を客観視することができたという。新型コロナ禍で当初、やろうとしたことは果たせなかったが、SNSを通して情報発信するなど、できることに取り組んだ。3月には沖縄に戻り、琉球舞踊指導者の教師免許取得を目指す考えだ。「沖縄を拠点に日本・海外へ向けて舞踊を発信していきたい」と意気込みを語った。

 (安里玉元三奈美通信員)