カラキで大宜味PRへ 村でシンポ、活用など提案さまざま 北農高はサブレの開発を紹介


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
カラキ商品開発までの過程を説明する北部農林高の竹西広一教諭=2日、大宜味村農業環境改善センター

 大宜味村内に自生するシナモンの仲間、カラキ(和名オキナワニッケイ)に関するシンポジウム「大宜味村産カラキの魅力と将来」(主催・大宜味村、村カラキ活用推進協議会)が2日、村農業環境改善センターで開かれた。30人以上が参加した。村はカラキ優良樹の苗木づくりなど独自の取り組みを進めており、今後の活用方法などさまざまな提案があった。

 カラキが自生する大宜味村では2016年度から「カラキ活用推進プロジェクト事業」を進めている。味や香りの良い「優良樹」を選出し、挿し木で苗を育てて、優良樹を育成している。

 シンポジウムでは、北部農林高校食品科学科の生徒と共に、カラキサブレを開発した竹西広一教諭が基調講演し、カラキ製品の商品開発までの過程を紹介した。

 竹西教諭は、クッキーなどカラキの粉末を使った加工品を50種類以上試した結果、サブレに決定し、香りや風味が最も高くなる乾燥温度を、科学的に求めたと説明。製造と販売が安定してできる仕組み作りの紹介を説明した。

 カラキやニッケイは村外でも見掛けるが、香りが強い有用株が多く栽培できるのは村内だけという。竹西教諭は「栽培から販売まで全てを村内で行い、商標登録することなどが課題。村のPR、やんばる地域の活性化、雇用増加につながる」と提案した。

 村カラキ活用推進協議会の山川清会長は「カラキは糖尿病にも効果があるとみられ、活用できれば大宜味村の産業として、十分やれるのではないかと思う」と期待した。沖縄ハム総合食品の長浜徳勝社長は「沖縄のカラキは固有種であるという話があり、沖縄の財産になるだろうと考えている。カラキサブレも好評だ」と述べた。琉球大学農学部の諏訪竜一准教授は「資源の活用と地域の協力で理想的な形が築けている」と評価した。