石垣市民側が2審も敗訴 陸自配備めぐる住民投票訴訟 高裁那覇支部


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 石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、石垣市民30人が計画の賛否を問う住民投票を実施するよう求めた訴訟の控訴審で、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)は23日、訴えを却下した一審の那覇地裁判決を支持し、市民側の控訴を棄却した。

 昨年8月の一審那覇地裁判決は、住民投票の実施の義務付けについて「訴えの対象となる処分に当たらない」とし、原告の訴えを門前払いで退けていた。

 住民投票を巡っては2018年、原告らが「陸自配備に関する議論が不十分」などとして、署名運動を展開。有権者の4分の1以上の署名で市長に住民投票の実施を義務付ける市自治基本条例の規定を踏まえ、有権者総数の3分の1を超える1万4263筆を集めた。市は住民投票条例案を市議会に提出したが、否決された。

 防衛省は19年3月に駐屯地の造成工事を始めている。