女性差別撤廃条約 国連の評価文書放置 外相、不手際認める


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 【東京】国連の女性差別撤廃委員会が、日本も批准する女性差別撤廃条約の履行状況を確認するため日本に送った評価文書を、外交窓口の外務省が条約を所管する内閣府に2年余りも提出していなかったことが23日までに分かった。茂木敏充外相は、外務省の不手際を認め、「知る権利の観点からも問題だ」として再発防止に努めるよう伝達したことを明かした。参院政府開発援助等に関する特別委員会で高良鉄美参院議員(無所属)に答弁した。

 文書は2018年12月、女性差別撤廃委から日本側に送られた。外務省から内閣府男女共同参画局に提出後、公開されるはずだったが、16日まで外務省、内閣府のいずれのホームページ(HP)にも掲載されなかった。

 高良氏が15日、外務省と内閣府に文書が共有されているかについて確認を求めたところ、同日中に情報が共有されていなかったことが判明した。高良氏は22日の法務委員会で指摘し、内閣府の担当者は「情報のやりとりに不備があった」と認めた。

 高良氏は「2年以上も遅れての報告は国連軽視ではないか」と茂木氏に見解を求めた。茂木氏は問題を認めた上で「迅速に共有すべきだった。知る権利の観点からも政府のHPに公表されていなかったのは問題だと考えている」と述べた。その上で「事務方に対しても迅速に情報を共有すること、また、そういう情報についてもしっかりと公表することを伝えた」と強調した。