沖縄県内の新型コロナウイルスの新規感染者数は23日、県独自の3度目の緊急事態宣言解除後最多の75人となった。大規模なクラスター(感染者集団)の発生などは確認されていないが、4人以下の会食・飲み会での感染事例や「短期間での感染の連鎖」がみられており、県は警戒感を強めている。
県によると、21日までの1週間の感染者数を基に、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」を算出すると1.38になった。感染拡大が懸念される「1」を超えた。
感染経路について、県は調査中も含めて4人以下の少人数での会食・飲み会で感染した事例が5例あると明らかにした。同時に飲食を発端に家族や飲食店を介した「感染の連鎖」が短期間で広がっている可能性を指摘した。県の糸数公保健衛生統括監は「4人以下だから大丈夫というわけではない。飲食は感染のリスクがある。警戒してほしい」と呼び掛けた。
新規感染者75人の地域別は、那覇市、宜野湾市が各14人、中部保健所管内が11人、浦添市が9人、沖縄市が7人、糸満市、南部保健所管内が各5人、豊見城市、うるま市が各4人、南城市、宮古島市が各1人だった。中部で増加傾向がみられる。