PFOS、配管に残留か 空自那覇、説明一転「可能性否定できない」 泡消火剤流出 


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航空自衛隊那覇基地から流出した泡消火剤=2月26日、那覇市高良

 航空自衛隊那覇基地から泡消火剤が流出した問題で、同基地は25日までに沖縄県に対し、有害性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)が含まれている消火剤が配管に残っていた可能性があるとの見解を示した。琉球新報の報道を受け、PFOSは含まれていないという、県に対する当初の説明を覆した形だ。航空自衛隊は本紙の取材に「各種状況からPFOSが含まれる消火薬剤が配管に残っていた可能性も否定できないことから、成分分析を実施し、その結果を踏まえて原因と対策を検討していくと県に説明した」と答えた。

 県の金城典和基地対策統括監は25日の県議会米軍基地関係特別委員会で、玉城健一郎氏(てぃーだネット)の質問に「(バルブが破裂した際)昔のPFOSを含む消火剤が入っていた。それが漏れてPFOSが残っている状態の泡が飛んでいった。そういうような説明が(自衛隊から)あった」と話した。

 県によると、その後、自衛隊から「PFOSを含んでいると断定した訳ではない」と連絡が入った。

 自衛隊は当初、流出した消火剤にPFOSは含まれていないと説明していたが、琉球新報の記者が採取した泡を京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が分析したところ、PFOSが検出された。原田氏によると、昨年4月に普天間飛行場から流出した際に泡から検出されたPFOSと同程度の環境影響がある値だった。

 自衛隊は2月26日の事故直後、泡が飛んだ保育園などを訪れて写真を撮影していたが、泡を回収しなかった。現場の泡を洗い流したかという本紙の質問に対し、「当日の降雨で消失し、付着した場所の特定が困難だったため処置していない」と釈明した。