沖縄県・新任部局長の顔ぶれと抱負(4月1日人事)


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 県は1日、2021年度定期異動人事を発令する。部長級は、土木建築部長、農林水産部長、文化観光スポーツ部長、議会事務局長、会計管理者が変わる。新任部局長の顔触れや抱負を紹介する。


道路や橋、安全にメンテ 島袋善明 土木建築部長

島袋善明 土木建築部長

 1990年に技術職で入庁し、久米島空港や与那国空港の滑走路拡張整備事業に携わった。道路街路課長や土木整備統括監を歴任し、東京事務所での経験も持つ。

 土木建築部は首里城再建や名護市辺野古の新基地建設に関する手続きなど、県政の重要課題を所管する。「判断を下す場面も増える。気が引き締まる」と、少し緊張気味。一方、今後はこれまでに手掛けた道路や橋のメンテナンスの時期にもさしかかる。「先輩たちが手掛けた事業を引き継ぎながら、道路や橋を安心・安全に使えるようにメンテナンスしていきたい」と意気込む。

 「職場の雰囲気が良ければ、おのずと事業結果も良くなる」。風通しの良い職場環境づくりにも力を入れる。

 趣味は映画鑑賞と旅行。1963年12月8日生まれ。那覇市出身。琉球大卒。


生産者目線で取り組む 崎原盛光 農林水産部長

崎原盛光 農林水産部長

 1985年に農業職として入庁して以来、伊江島駐在に始まり、八重山や宮古、農林水産省への出向など県内離島から東京まで勤務地は広範囲にわたる。36年、農林水産部一筋で農地や生産基盤整備、生産者支援に取り組んできた。

 「行政は地域住民との対話が必要不可欠だ」と力説する。コロナ禍にある生産者支援についても「農林漁業者の声を誠実に受け止め、適切な時期に行動に移す」と強調した。

 県内農林水産業の振興に向けて「県民主役と血の通った連携の二つをキーワードに生活者の目線で取り組む」と意気込んだ。

 趣味はゴルフ、釣り。好物は県産食材。63年2月27日生まれ。宜野湾市出身。琉球大卒。


コロナ禍乗り越える 宮城嗣吉 文化観光スポーツ部長

宮城嗣吉 文化観光スポーツ部長

 1988年に入庁し、勤務は33年目となる。総務の経験が長い。10年前には当時の観光企画課に配属され、地域資源を生かした観光の推進に取り組んだ。コロナ禍での部長就任に、「観光業界は裾野が広くコロナの影響も大きい。その中で部長職を担うのは大きな責任を感じている」と気を引き締める。

 財政課で事業立案や予算編成に携わった経験を生かし、観光業界の声を聞き取って必要とされている事業に取り組みたい考えだ。

 「厳しい状況をどう乗り越えるかが優先されると思うが、沖縄の魅力の根源である伝統文化や、しまくとぅばなどの普及継承にも取り組みたい」と意気込んだ。

 休日は仲間とロードバイクで北部や南部を回り、景色を楽しんでいる。戦国時代の歴史小説を読むことも趣味で、好きな戦国武将は徳川家康。1966年1月生まれ。名護市出身。


議員との橋渡し役担う 知念弘光 議会事務局長

知念弘光 議会事務局長

 1985年の入庁以来、広報監や秘書課長、防災危機管理課長、消防学校校長を歴任するなど主に知事公室の仕事を務めた。議会事務局への配属は2018年で、次長から昇格する。歴代事務局長と比べ事務局経験は浅いが、通算8年在籍した広報課での経験を生かし、県議のサポート役に徹しつつも県議会の広報啓発活動強化に意欲を見せる。

 議会事務局に配属されて以来、知事部局と議員との交流の少なさを痛感した。局長就任を機に「意思疎通をうまくできるよう橋渡し役を担いたい」と語る。県議会は昨年6月に改選したばかりで、代表、一般質問の在り方など議会改革も視野に入れる。座右の銘は戦国武将武田信玄の言葉「人は石垣、人は城」。強固な信頼関係で結ばれた議会事務局を掲げる。

 那覇市出身。1961年8月8日生まれ。鹿児島大卒。趣味は硬式テニス。


出納事務適正で信頼を 大城博 会計管理者

大城博 会計管理者

 1987年の入庁以来、農林関係、市町村行政、福祉政策、商工業の振興など多くの部署でさまざまな仕事を担当してきた。その都度、任された職務に専念し、夜中まで仕事をすることもしばしばあった。「仕事が趣味みたいなもんだよ」と笑うが、その顔には行政マンとしての誇りが浮かぶ。

 この春から任されるのは県行政を財務の面から管理する会計管理者。多くの部署を渡り歩いてきたが、財政経験はなかったため、内示を受けたときには「意外」に思った。

 だが新型コロナウイルス感染症対策で、県が多くの施策を実行する今、「出納事務が適正であれば県の業務が県民から信頼される」と抱負を語る。

 趣味は仕事終わりのウオーキング。自宅近くを散歩し、気分転換している。北谷町出身。1964年1月19日生まれ。琉球大卒。

▼人事・沖縄県庁(4月1日)