コロナ下 社会人の誓い 県内、感染対策施し入社式


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
イオン琉球の入社式で、社会的距離を保ちながら、マスクを着用する新入社員ら=1日、那覇市の沖縄産業支援センター

 コロナ禍の中で2021年度が始まった1日、県内各社は入社式を開き、新たな「仲間」を受け入れた。多くの企業が式典を短縮したり参加人数を絞ったりするなど、新型コロナウイルス感染対策をして実施した。感染拡大の第4波が到来していることから、式の開催を延期、中止する企業もあった。経営者らは「これまでにない取り組みや変化が求められている」と新しい時代を切り開く人材たちにエールを送り、新入社員たちは「早く一人前になりたい」と意気込んだ。

 沖縄電力(浦添市)は、社歌を斉唱せずに音源を流すなどの対策をした。新入社員の屋冨租稔さん(24)は「今日から社会人になれると気持ちを切り替えられた。(式を)やれて良かった」と話した。

 金秀グループは、西原町のエリスリーナ西原ヒルズガーデンで合同入社式を開いた。グループ内の10社に、合計86人が入社した。新入社員や役員、スタッフなど出席する147人全員がPCR検査を受け、陰性を確認した上で実施した。参加者の過去2週間の行動履歴も確認した。

 金秀ホールディングスの玉城聖吾人事部長は「一生に一度の機会なので、どうにかして形にしようと思った」と話した。

 密を避けるため、オンライン方式を取り入れて式を開催する企業もあった。拓南グループの拓伸会は、27人の新入社員を沖縄市の拓南製鐵中部事業所、うるま市の拓南商事、中城村の拓南製作所の3カ所に分け、オンラインでつないだ。古波津昇会長は「年齢が異なっても、同期の仲間として励まし合える関係を構築してほしい。将来、必ず糧になる」と呼び掛けた。

 イオン琉球(南風原町)は那覇市の沖縄産業支援センターで開き、計41人の新入社員を迎えた。3月中旬に、前任地のカンボジアから帰国した大野惠司社長はオンラインで参加し、「自ら考えて、挑戦し続ける社員になってほしい」と激励した。

 物流のあんしん(浦添市)には23人が入社した。仕事の時間や転勤などを限定する限定社員として、社会人野球クラブに所属する9人を採用した。昨年は活況な県経済を背景に売り手市場で、3人しか採用できなかった。コロナ禍で採用を絞る企業も多い中、例年と同規模の定員を確保することができたという。

 新入社員を代表してあいさつした知念祐坪さん(22)は「若さとチャレンジ精神で、全力で踏ん張っていきたい」と意気込んだ。

 JAおきなわは計72人を採用。店舗再編の影響などで、昨年度の105人から約3割減となった。決意表明した仲尾樹杏さん(22)は「職員として頑張っていこうという決意が湧いてきた」と述べた。