沖縄コロナ103人、感染力強い変異株5人確認 市中感染広がる【4月3日朝】


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新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 県は2日、新型コロナウイルスに新たに103人が感染したと発表した。市中感染が広がりつつあり、感染に歯止めがかからない状況だ。1日に県衛生環境研究所が検査した94人のうち5人に感染力が従来株より強いとみられる「N501Y」変異株が確認された。県の糸数公保健衛生統括監は変異株の市中感染について「感染経路が分からない人も何人かいる。そこから広がっている可能性はあるかと思うが、現在、調査中だ」と述べた。

 新たにN501Y変異株が確認されたのは、いずれも沖縄本島在住で3月中旬から下旬に発症した40代、50代、60代の男性と60代、90代の女性。このうち40代男性は県外の感染者と接触があった。残り4人は感染経路が分かっていない。国立感染症研究所に5人の検体を送り、由来を詳しく調べるという。

 県衛生環境研究所は2月8日以降、273人の検体で変異株を検査。N501Y変異株は1日分も含めこれまでに8人、従来株よりワクチンの効果が低下する可能性が指摘されるE484K変異株は27人に見つかっている。

 2日の新規感染者のうち接触による感染は52人で、このうち家庭内が31人に上った。糸数統括監は「感染が家族に持ち込まれ、さまざまな世代に広がりつつある」と述べ、飲食による若者の感染が家族へ世代を超えて広がっているとの認識を示した。感染拡大を受けて、県は宿泊療養施設として、那覇市の「東横イン那覇旭橋駅前」に加え「ホテルリゾネックス那覇」の運用も始めた。

 米軍関係の新規感染者はキャンプ・キンザーで3人、キャンプ・コートニーで2人など計9人だった。嘉手納基地の基地従業員2人の感染も判明、このうち1人は2日の発表分に含まれ、残る1人は先月30日発表分で、米軍関係者の濃厚接触者として海軍病院から情報提供があった。