浦添消防の不祥事 原因は市民感覚とのずれ、当事者意識の欠如 再発防止へ検証


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
浦添市消防本部

 【浦添】救急出動の遅れや劇薬の紛失など不祥事が相次いだ浦添市消防本部は4日までに、コンプライアンス推進委員会がまとめた「コンプライアンス基本方針」を公表した。連携体制の不備やマニュアル順守が不十分だったことに加え、不祥事の根本原因として、職務に対する当事者意識の欠如、市民感覚とのずれなどを挙げた。再発防止策として、服務規律の徹底や「ヒヤリハット」への対策強化、教育など12項目を掲げた。

 3月31日に消防本部ホームページで公表した。組織改革に向け、(1)消防力の充実強化(2)組織力の向上(3)職員力・人材育成の充実―の3点を掲げ、事件事故ゼロを目指すとした。浦添消防は昨年9月に消防長をトップとする外部有識者を交えたコンプライアンス推進委員会を本部内に設置。全職員を対象にした意識調査を2回実施するなど、不祥事の原因調査に加えて組織体制や職員間の連携などについて検証した。基本方針は25年度までの5年計画だが、必要に応じ見直す。

 同本部では昨年8月、40代女性から119番通報を受けた際、新型コロナウイルス感染を職員が疑った結果、救急出動が遅れ、その後死亡が確認された。同2月には90代女性を緊急搬送している際に気管チューブを誤って食道に挿入し、その後、女性が死亡した。同7月には劇薬のアドレナリンを紛失した。2019年7月には職場内でのパワーハラスメントが発覚した。