泡盛の輸出量18%減 コロナで海外市場が縮小 米国への輸出は半減


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 官民一体で泡盛の販路拡大を話し合う「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」の第10回会合が5日、那覇市の那覇第2地方合同庁舎で開かれた。県酒造組合は2020年の泡盛の輸出実績について、数量が前年比18・7%減の35・7キロリットル、輸出金額は同15・6%減の3521万円にとどまったと報告した。

 毎年少しずつ輸出量を増やしていたが、新型コロナウイルスの影響で海外市場が縮小した。ただ、海外に輸出した酒造所は24社で、前年より3社多かった。

 国別の輸出数量は、19年まで最多だった米国が前年比51・7%減の6キロリットルと半減した。台湾は15・6%減の4・2キロリットル、中国は46・4%減の3・6キロリットルだった。それぞれ小売店や料飲店での消費が落ち込んだ。シンガポールやマレーシア、タイは、仕入れ業者がコロナの影響で事業撤退した。

 一方、オランダやオーストラリアは、内閣府の支援事業などで販路を拡大し輸出量を伸ばした。

 今後、毎年2割ずつ出荷量を伸ばす計算で、2024年に輸出量100キロリットルを目標に掲げた。

 県酒造組合は、法的規制や事務手続きについて各酒造所の知見が不足していることなどを課題に挙げた。国別の手続きや現地の商習慣が把握できるよう、業界共通のマニュアルを作成していく予定だ。

 佐久本学会長は「ワクチンが普及して徐々に経済が回復することを踏まえて、輸出の取り組みを進めていきたい」と話した。