遺骨の混入「ない」 県議会参考人招致 採掘業者が主張


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
採掘する土砂への遺骨混入の可能性を否定し、知事らの対応を批判する沖縄土石工業の永山盛也社長=8日、県議会第7委員会室

 名護市辺野古の新基地建設に伴う本島南部からの土砂採取問題で、県議会土木環境委員会(瑞慶覧功委員長)は8日、参考人招致した糸満市の土砂採掘業者、沖縄土石工業の永山盛也社長(68)から意見聴取した。永山氏は現段階で採掘はしていないと強調した上で、「採掘する琉球石灰岩に遺骨が混じることは100パーセントない」と主張した。また、玉城デニー知事や照屋義実副知事が同社を指した上で、事業を問題視する発言をしたことに触れ、「私が一県民、事業者であることを忘れ、著しい人権侵害と営業妨害を行った」として謝罪を求めた。

 永山氏の招致は、国が土砂の調達先として糸満市や八重瀬町を検討する中、沖縄戦の遺骨収集を行っているボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表が、戦没者の遺骨が混じった土砂を基地建設に使わせないことを求める陳情を提出したことで行われた。

 永山氏は、現時点で着手したのは伐採、磁気探査、測量だと説明した。また採掘するのは表土の下にある琉球石灰岩だと指摘。沖縄戦戦没者のものとみられる遺骨が混じる可能性のある表土は、仮置きして埋め戻しに使うため、遺骨が埋め立てに使われることはなく、景観にも配慮できると述べた。

 一方、議員からは沖縄土石工業が森林法に違反し、糸満市から顛末書の提出を求められた経緯など、手続きに関する追及があった。永山氏は「法令は順守している」とした上で、「諸問題をきちんとクリアにすることが重要」だと述べた。

 9日は具志堅氏が参考人として意見を述べる。