【電子号外】屋比久 東京五輪出場 レスリング 県勢初


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 レスリングの東京五輪アジア予選が9日、カザフスタン・アルマトイで開幕し、初日の男子グレコローマンスタイル77キロ級に出場した県出身の屋比久翔平(26)=浦添工高―日体大―日体大大学院出、ALSOK=が決勝進出を決め、東京五輪の代表に決定した。2位以上が出場枠獲得の条件となっていた。県勢がレスリングでオリンピックに出場するのは初めて。

 グレコ77キロ アジア予選突破

 2019年の全日本選手権で優勝し、アジア予選出場を決めていた屋比久。昨年は新型コロナウイルスの影響でマット練習ができない時期もあったが、12月の全日本選手権で2連覇を果たし、調子を上げていた。全日本選手権後の記者会見では「海外選手はスピードが速く、力強いので対応できるように練習したい」と五輪出場に意欲を燃やしていた。

 父・保さん(北部農林高監督)は世界選手権にも出場した元国内トップ選手。しかし1992年のバルセロナ五輪では、アジア予選の出場権を懸けた国内最終選考会で試合中に大けがを負い、オリンピック出場は果たせなかった。

 父の夢を継ぐ屋比久は「おやじがオリンピックに出られなかったことが競技を始めたきっかけ。『自分が出ないと』という気持ちが強い」と常々語っていた。

 1995年1月4日生まれ。小学4年時にレスリングを始めた。高校では全国選抜や国体で優勝し、大学在学時の2015年から全日本選手権を3連覇。17年には、県勢では保さん以来、26年ぶりに世界選手権に出場した。

 昨年4月に一つ下で幼なじみの加菜子さんと結婚し、8月には長男・紫琉君が誕生した。