「八重山の漁業守る」海域6カ所に産卵保護区 ナミハタなど禁漁期間も


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産卵場保護区設定をPRする(左から)八重山漁業協同組合の上原亀一組合長と県の崎原盛光農林水産部長=9日、那覇市の県庁

 県などは9日、ナミハタ(方言名・サッコーミーバイ)やイソフエフキ(同・クチナギ)などの漁業資源保護を目的に、八重山海域6カ所を「産卵場保護区」に指定したと発表した。産卵期にあたる旧暦の3~4月の2カ月間、レジャーでの釣りも含め、保護区内での水産動植物の採捕を全て禁止する。今年は4月12日~6月9日が禁漁期間となる。

 これまで地元の漁業者が自主的に設定してきた保護区を、沖縄海区漁業調整委員会として公的に認めた。八重山漁業協同組合の上原亀一組合長(県漁業協同組合連合会会長)は「無秩序に取ってきたことを反省して、保護に取り組んできた。(保護区指定は)活動が評価されたと喜んでいる」と話した。

 保護区に指定されたのは西表島・小浜島間の「ヨナラ水道」などで、沖縄海区漁業調整委員会が3月26日付で産卵場保護区指定の委員会指示を出した。期間は25年度までの5年間で、延長については協議する。

 禁漁期間に保護区内で漁を行うと、知事が指示を守るよう命令を出すことができる。命令に違反すると50万円以下の罰金または1年以下の懲役の罰則がある。

 八重山海域は、県内で取れる沿岸性魚類の約20~25%を占めているが、ナミハタなどの数は減少傾向にあった。県などの調査で産卵期の大量漁獲が資源減少の一因と明らかになり、八重山漁協は1998年ごろから保護区を設定して資源保護に取り組んできた。

 ナミハタについては禁漁期間を40日に拡大した2016年以降に、親魚の回復傾向も見えてきている。