変異株5倍26人に 県内「市中感染に近い」 新規は131人【4月10日朝】


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新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 県は9日、新型コロナウイルスに新たに131人が感染したと発表した。3日連続で100人台となった。変異株を巡っては、今週の県衛生環境研究所などの検査で、感染力が強いとされるN501Y変異株が26人に確認された。検体の25.2%が変異株で、陽性率は前週の約5倍。米カリフォルニア州で多く見つかっているL452R変異株が3月下旬に県内の感染者から見つかっていたことも判明した。空港の検疫以外で見つかるのは国内で初。

 9日夜に行われた専門家会議でも変異株を巡り議論があった。県立中部病院感染症内科の高山義浩医師は県内でも感染者の多くが変異株に置き換わった場合は「持続流行になるリスクがある。今、押さえ込めるか重要な局面にある」と警鐘を鳴らした。

 県衛生環境研究所と民間会社で計103人分の検体を調べ、計26人にN501Y変異株を確認した。前週の陽性率5.3%から大幅に上昇した。N501Yの感染者は県内で計34人となった。
 
 糸数医療技監は「N501Yが広がっている可能性がある。かなり市中感染に近づいている」と述べた。

 県によると、L452R変異株は1~3月に国立感染症研究所に送った検体分に含まれていた。従来株より20%程度感染力が強いという。陽性者と海外渡航者や米軍関連との接点は現時点で確認されていない。

 8日までの直近1週間の新規感染者数は787人で、前日の757人から過去最多を更新した。急速に感染が拡大する背景について、糸数医療技監は「もちろん変異株の影響はある。こうした状況からどんどん広がっていくのは、関西などを見ると想定できる」と懸念を示した。

 9日の新規感染者の内訳は、20代32人、50代21人、30代18人など。41人が接触感染とみられ、家族内17人、職場10人、友人・知人7人、飲食5人、施設内感染1人、その他の濃厚接触が1人。残り90人は調査中。米軍関係はキャンプ・ハンセンと嘉手納基地で各4人、普天間基地とキャンプ・フォスターで各1人。