【八重瀬】沖縄県内初の女子硬式野球部が南部商業高校で誕生し、10日から活動が始まっている。高校の女子硬式野球部は全国で37校目。「野球がしたい」という強い気持ちを持った部員たちがグラウンドで白球を追い掛けている。
仲山久美子前校長が中心となり、女子選手の受け皿を、と創設を決め、体験会を開催するなどして準備してきた。
2年生2人と1年生11人が入部してスタート。中には野球部に入るため宮古島から入学し、下宿生活を送る生徒もいる。10日の初練習では、真新しいオレンジ色のユニホームを着た選手が、キャッチボールや守備練習に励んだ。「ナイスボール!」といった威勢の良い掛け声がグラウンドに飛び交った。
キャプテン2人制で2年生の仲宗根莉麻(りお)さん(16)と大城早良(さら)さん(16)が主将に就いた。仲宗根さんは中学時代、女子軟式野球の沖縄OCEANSでプレーした。「1年の時は部活はせず、バイトしかやってこなかった。また野球ができるので、うれしい」と喜ぶ。
競技経験はなく、ボールを手にするのも初めてだという大城さんだが「ずっと野球に憧れていたので夢がかなった」と笑顔。目標について大城さんは「まずはレギュラー入りができるように頑張りたい」と意気込み、仲宗根さんは「みんなで高め合って、全国制覇を目指したい」と前を見据えた。
率いるのは同校社会科教諭の具志飛馬監督。金城中から静岡・静清工に進み、主将として同校の甲子園初出場初勝利を成し遂げた経歴のある指揮官は「彼女たちは野球をやりたいという強い気持ちを持って集まっている。必ず良い成果を出せる」と期待した。その上で「まずは、けがをしないように体力づくりから始める。練習を重ね、全国一強いチームになれるように育てたい」と語った。
創部が周囲に知られるとサポートの輪も広がった。新里若子教頭は「個人や企業からの寄付や寄贈など多くの支援をいただき、ユニホームやバット、ボールをそろえることができた」と感謝した。
(金城実倫)