くらし
ドクターのゆんたくひんたく

〈67〉高齢ドライバー 操作前に周囲の確認を

 高速道路の逆走、店に突っ込む車、ブレーキとアクセルの踏み間違えと、高齢ドライバーによる交通事故が時々、報道されます。「講習予備検査(認知機能検査)も受けて、免許の更新も無事済ませたし、私は大丈夫」と思ってはいないですか? みなさんからは「いえいえ。自動車を運転するときはいつも以上に注意しているし、私は安全運転を心掛けています」と反論が返ってきそうですね。

 事故の中には、認知症のために判断力が低下して起こった事例も多いでしょう。事故後の話としてよく聞くのは「うっかり道路標識を見落としてしまった」「とっさのことで気が動転してしまった」という話です。若い方のようにスマホをいじって注意散漫になっていたなどの話は、報道からはほとんどありません。大半の方が運転に集中していたはずですが、なぜ事故を起こしてしまうのでしょう。私は交通事故に関しては門外漢ですが、精神科医の立場から少し考えてみました。そもそも注意って何でしょう? 情報を処理するための基盤だと難しい専門的解説をすると趣旨から外れますので、一般的にはある対象に意識を集中させることだと理解してください。私たちは細かな作業などに注意を集中していても、突然そばに何かの異変を感じれば、場合によっては危険を回避できます。注意には、ある対象に集中し続けると同時に、周囲に対しても何かしらの注意を払ったり、別の対象に集中を振り向けたりする働きがあります。それらの注意をコントロールする働きが、年齢とともに低下しやすくなります。てきぱきと柔軟に物事をこなせなくなってきたなと、年を重ねた私自身も感じることです。

 高齢になると運転が危険だと言っているわけではありません。ちょっとしたことに対応しづらくなっている自分に気付いてもらえたらと思っています。法定速度を守って安全運転を心掛けることはもちろんですが、操作する前に周囲の状況などを再度確認する余裕を持ちたいものです。

(金城博、博愛病院・精神科)

 

 



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