知事の措置命令「県民の思いくんでいない」 激戦地土砂で具志堅さんら声明


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名護市辺野古の新基地建設埋め立て使用で批判が上がっている土砂採取場所=2021年2月、糸満市米須(小型無人機で撮影)

 沖縄戦跡国定公園内にある糸満市米須の土砂採掘計画を巡り、採掘の届け出を出していた業者に知事が必要な措置を取るよう命令する方針を示したことに対して、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんと島ぐるみ宗教者の会が19日、声明を出した。

 自然公園法に基づいて知事が業者に出す措置命令は、取り得る選択の中で最も緩いことに触れて「県民、遺族の思いを十分にくんだものとは思えない」と指摘した。

 「遺骨の収集に支障が生じないように措置を講じること」などを求める県の命令について誰が収集するのか、事業前に遺骨収集を行う必要があるのかなど、命令の内容が明確ではないとした。

 具志堅さんと島ぐるみ宗教者の会は今後、県に(1)防衛局に対し南部からの土砂採取計画を断念させること(2)措置命令に関する不明確な部分の説明を行うこと(3)戦跡国定公園の景観を保護する条例を制定すること―の3点を求める。

 具志堅さんと島ぐるみ宗教者の会は3月に6日間のハンガーストライキを実施し、土砂採取計画の断念や開発届け出に対する中止命令などを求めていた。