陸自の辺野古配備に内部文書、一部非開示 米軍と共同作戦 共産・穀田氏が入手


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 【東京】2015年に陸上自衛隊が、沖縄県を含む南西地域で有事を想定した米軍との共同作戦に備え、部隊の配備計画を記した内部文書を作成していたことが23日、分かった。防衛省から共産党の穀田恵二衆院議員が文書を入手し、同日の衆院外務委員会で公開した。配備計画を図示した一部に非開示の黒塗り箇所があり、非開示部分に、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ付近が含まれていた。非開示の理由について、中山泰秀防衛副大臣は「国家の安全を害する恐れがある」と述べた。

陸自が作成し、一部を黒塗りにした部隊編成に関する内部文書

 文書は、15年9月28日に開催された陸上幕僚長ら陸自幹部が集まる防衛大臣直轄部隊長会合で作成された「陸幕施策等説明」。

 52ページにわたる文書で、「陸上防衛態勢」や「主要な部隊等の体制移行」など、16年度以降の陸自の編成案が綴られている。

 文書中には「南西地域における平素からの部隊配置の推進」と題された項目があり、奄美大島、沖縄本島のほか、宮古、石垣、与那国の3島を図示した上で、それぞれの部隊配置案を記載。このうち石垣島と、辺野古付近を示す沖縄本島部分が黒塗りとなっていた。

 この非開示部分について穀田氏は同日の外務委で、中国への抑止力強化のために沖縄からフィリピンを結ぶ「第1列島線」上に地上配備型ミサイル網を構築する構想が米軍などにあることを念頭に「(陸自の)ミサイル部隊の配備計画ではないのか」と指摘した。

 これに対し、中山氏は15年時点で陸幕監部で検討された内容であると認めた上で「防衛省自衛隊の任務の効果的な遂行に支障を及ぼしかねない」と非開示の理由を述べるにとどめた。

 非開示部分の中身については、穀田氏は18年5月の外務委でも取り上げており、離島専門部隊「水陸機動団」の配備の可能性をただした。当時の山本朋広防衛副大臣は「本島に普通科部隊などを配備するというような計画はない」とだけ述べていた。

 防衛省は現在、名護市辺野古の新基地建設に自衛隊が常駐する可能性を否定している。また水陸機動団を県内に配備することも「考えていない」としている。