上間天ぷら「マザーズ上場・30店舗」の5年計画 上間園子新社長に聞く


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2026年度までに東証マザーズへの上場を目指す上間フードアンドライフの上間園子社長=19日、沖縄市登川

 「上間弁当天ぷら店」などを運営する上間フードアンドライフ(沖縄市)は、新年度の開始と共に上間園子社長が誕生した。会長に就いた兄・喜壽(よしかず)氏の成長戦略を受け継ぎながら、2026年度までに店舗数を約4倍の30店に拡大し、東証マザーズへの上場も視野に入れる。上間社長は「上場すると雇用も増えていく。県民を低所得から脱却させ、ある程度生活が充実できるように持っていきたい。沖縄の経済を良くしていきたい」と語った。

 現在、沖縄市、うるま市を中心に「上間弁当天ぷら店」と「上間沖縄天ぷら店」計7店舗を営んでいる。さらに本年度中に両市で4店舗のオープンを計画する。22年度以降には恩納村や金武町など本島北部でも展開し、早ければ24年度に那覇市など南部への進出を構想する。

 上間社長は「物流の効率化を図り、店舗間の距離を短くしないといけない。まず中北部で店舗拡大して財務体力をつけてから、家賃など固定費が高い那覇市への進出を狙う」と話す。

 昨年は新型コロナウイルスの影響により、オードブルなど注文部門での売り上げが前年度比60%減、店舗の売り上げも同30%減となった。だが、沖縄ファミリーマートでの同社の天ぷら販売が押し上げ、20年度の売上高は同0.5%微増の約8億5千万円となった。

 21年度は、新たに4店舗を加え、1日当たりの販売額(沖縄ファミマでの販売売り上げも含む)を現在の約300万円から約360万円に引き上げることを見込み、年間の売上高は前年度比18%増の10億円と計画している。

 26年度の上場に向けて、上間社長は「まず監査役を自社に入れ、予実管理をしっかりしていきたい。26年度の売上高20億円を目指す。沖縄の小さな中小企業が上場すれば、県内の他の企業にも刺激になるだろう」と展望を語った。