自公、知事選に弾み うるま市長に中村氏初当選 「オール沖縄」は立て直し急務


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テレビ画面を見つめる中村正人氏(中央)=25日午後10時55分、うるま市みどり町の選挙事務所(ジャン松元撮影)

 うるま市長選で中村正人氏が初当選を果たした。自民、公明両党の協力で臨んだ市長選は今年に入り、宮古島市長選で敗北、浦添市長選で勝利したため2勝1敗となった。来年秋の県知事選での県政奪還に向け、弾みをつけた形だ。一方、照屋寛之氏を擁立した「オール沖縄」側は、浦添市長選に続く敗北。会派おきなわが中村氏の支持に回るなど、今後の態勢立て直しが急務となる。

 <県内政局>

 うるま市長選は1月の宮古島市長選、2月の浦添市長選に続き、来年秋の県知事選の前哨戦と位置付けられており、玉城デニー知事と対峙(たいじ)する県政野党・中立勢力は秋までに実施される衆院選と県政奪還に向けて足場を固めた。

 一方、照屋寛之氏を担いだ県政与党だが、与党勢力の一つである会派おきなわが中村氏の支援に回るなど「オール沖縄」態勢を構築できず、今後に不安を抱える格好となった。

 うるま市は保守地盤であることや、安定的な市政運営をしていた島袋俊夫市長の後継の立場であることから、中村氏が選挙戦を有利に展開した。旧維新系のグループなども支援し、着実に支持を広げた。

 一方、県政与党にとっては、会派おきなわの赤嶺昇氏が選挙戦の演説で県政批判を展開するなど与党内の亀裂をあらわにした形で、玉城知事は出身地であるうるま市での敗北により、求心力の低下が浮き彫りとなった。7月には県都・那覇の市議選もある。衆院選や県知事選に向けて「オール沖縄」は結束が急務といえる。

(大嶺雅俊)

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