「ラジオを聴き、もしかしたら、と」―。
沖縄市内の病院から行方不明になった80代男性の保護に尽力したとして、沖縄署は26日、「尋ね人情報」をいち早くラジオで報じた琉球放送(RBC、中村一彦社長)と、男性を発見・保護した島袋勲さん(64)=うるま市=に感謝状を贈った。男性は認知症で、沖縄市内の病院を徒歩で出て、うるま市まで約5キロの道のりを、7時間近く一人でさまよっていたという。
沖縄署によると、9日正午すぎ、「80代男性が行方不明になった」と家族から通報があった。同署は署員約30人で捜索するとともに、男性の特徴を報道機関に公開し、広く情報を募った。
同日午後6時40分ごろ、帰宅途中の島袋さんは車内のラジオから流れる「尋ね人情報」に耳を傾けていた。約10分後、うるま市の自宅付近で情報に酷似した男性を発見、保護した。男性にけがはなかった。島袋さんは「ラジオで聴いた情報が頭に残っていた。男性を見掛け、もしやと思い話し掛けた。微力ながら社会のためになってうれしい」と喜んだ。
感謝状を贈呈した宮城貴沖縄署長は「警察から放送局、そして市民が一体となり、迅速な対応ができた。社会全体で異変に『気付く』という点で、非常にいいケースになった」と述べた。