空自那覇基地外への泡消火剤流出 県が2カ月後の現場確認となったわけ


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航空自衛隊への要請を終えて取材に応じる溜政仁基地対策統括監=28日、那覇基地正門前

 ことし2月に航空自衛隊那覇基地から泡消火剤が流出した事故に関し、県の溜政仁基地対策統括監は28日、同基地を訪れて現場を確認した。事故から2カ月たってからの現場確認となった。当初の自衛隊の説明を受けた県の対応について、溜統括監は、基地訪問後の報道陣の取材に「PFOSが含まれていないと言われ、しばらくそのままだったことについては反省する必要がある」と答えた。

 溜統括監は空自第9航空団司令部の石坂浩一監理部長と面談した。有害性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOSが含まれていたにもかかわらず、当初含まれていないと説明していたことに対し「周辺住民に混乱を生じさせる。決してあってはならず、大変遺憾だ」と述べた。

 石坂監理部長は基地司令の言葉として「不安を与え迷惑を掛けたことを大変申し訳なく思う」と伝えた。PFOSの含有を確かめた調査結果は自治体や漁協の代表者に報告したと説明した。

 PFOSが含まれていない消火剤への交換は一部終わっていないという。

 現場確認と要請の時期について、溜統括監は「自衛隊の説明が二転三転したことや、那覇市が水質汚濁防止法の主管であることなど、さまざまなことがあってタイミングを図っていた」と述べた。

 現場の消火設備は修理が済んでいたという。県としては環境部を中心に那覇市と連携して対応していたと強調した。

 昨年4月に米軍普天間飛行場から泡消火剤が流出した際に米軍へ提出した文書は「抗議」と記していたが、今回の自衛隊への文書は「要請」となっている。この対応の違いについて「明確に分けているわけではない」と語った。自衛隊を批判しにくい状況があるのかという問いには「そういうことはない」と否定した。