琉銀、フォワードルッキング(FL)引当に変更 将来景気の予測に基づき算定


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 琉球銀行(川上康頭取)は28日、債権回収ができなかった場合に備える貸倒引当金について、過去の貸し倒れ実績に基づく算定から、将来の景気予測に基づく「フォワードルッキングな引当(FL引当)」に変更したことを発表した。日経平均など、複数のマクロ経済指標を基に将来の予想損失額を算定する。

 算定方法の変更は2021年3月期決算から導入し、計画よりも一般貸倒引当金繰入額を17億円積み増す形となった。これに伴い、琉銀は21年3月期の業績予想の下方修正を発表し、連結の経常収益は前回発表予想に比べ4・7%減の572億円、経常利益は同24・0%減の38億円、純利益は同16・7%減の25億円を見込んでいる。

 将来の景気後退への備えを強化することで、安定的な経営が可能になり、追加の与信コストを過度に恐れずに顧客支援をすることができるという。島袋健総合企画部長は「不況時でも前向きに地域経済を支えていける」と話した。

 琉銀によると、FL引当は欧米の金融機関などで普及が広がっている手法で、国内地銀での導入は少ないという。