宮古島、副市長人事案を再び否決 市議会野党が全員反対


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宮古島市役所(資料写真)

 沖縄県宮古島市議会(山里雅彦議長)は4月28日の臨時会で座喜味一幸市長が提案した副市長人事案を賛成5、反対18の反対多数で否決した。否決は3月定例会に続いて2回目。前回と同様に議席多数を占める野党全員が反対した。

 座喜味市長は「優秀で代え難い人物」と県の前会計管理者(3月定年退職)の伊川秀樹氏を副市長とする人事案を再提出した。市議会構成は議長を除いて与党5、野党18で可決には野党の賛成が必要不可欠となっており26日には野党と伊川氏の意見交換会も開き、人事案への理解を求めたが得られなかった。

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 議会で野党は、座喜味市長が1月の市長選で掲げた市民所得の10%向上や県外観光客へのPCR検査実施など公約が実現されていないとして批判した。意見交換会の場面での伊川氏の言動を挙げ「任せられない」などと反対した。

 一方、与党は市の財政状況や市民サービスへの影響を踏まえ「一刻も早い人事が必要」と賛成した。

 座喜味市長は議会後、報道陣の取材に「残念だ。市民サービス、コロナを乗り越える対策にしっかり取り組むためにも理解いただきたかった」と述べた。伊川氏の人事案に関しては「どのような形で議会の承認を得るか、しっかり取り組みたい」と話し、再々提案を示唆した。