公共の場に設置され、誰でも自由に弾ける「ストリートピアノ」が沖縄の空の玄関口、那覇空港に登場した。県内では初設置とみられる。ラテンバンド「ディアマンテス」のボーカル、アルベルト城間さんが30日、空港を管理する那覇空港ビルディングに贈った。空港には早速ピアノの音色が鳴り響き、行き交う人々が足を止めた。
「街角ピアノ」などとも言われるストリートピアノは音楽を通じて人と人とのつながりを生み、気軽に音楽に触れてもらうことなどを願い、駅や空港といった公共の場に設置されている。イギリスで始まったとされ、今では世界各地に置かれている。
子どもの頃はピアノに憧れ、いとこの家に弾きに行ったというアルベルトさんは、仕事でよく利用することから空港に設置することを考えた。相談を受けた沖縄市の島ピアノセンターが思いに共感し無償でピアノを提供した。アルベルトさんが首里城をイメージしたという紅型や龍、生まれ育ったペルーの太陽を描き、アートピアノに仕上げた。アルベルトさんは「『音楽の島』沖縄から平和と人々のつながりを感じて」と思いを込めた。
この日、那覇空港3階のふくぎホールで贈呈式があり、アルベルトさんがピアノの伴奏に合わせて楽曲を披露した。