新基地、辺野古側の陸地化が完了 3.1メートル埋め立て 使った土砂は全体の6%


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一部の陸地化が完了した名護市辺野古沿岸部=4月27日(沖縄防衛局提供)

 【東京】岸信夫防衛相は30日の閣議後会見で、名護市辺野古の新基地建設に伴う辺野古崎南側の埋立区域全域(41ヘクタール)で、海面からの高さが3・1メートルに達し、陸地化が完了したと明らかにした。早ければ連休明けの5月6日にも、4メートルに向けたかさ上げに入る方針だ。

 3・1メートルは満潮でも沈まない高さで、沖縄防衛局が県に提出した事業行為通知書に記載されている。3・1メートルまでの埋め立てに使った土砂の量は121万立方メートル。辺野古の埋め立てに必要となる土砂量は2017万6千立方メートルが見込まれており、既に使用した量は全体の約6%にとどまる。

 県幹部は「一生懸命工事を進めているというアピールだろう。問題は大浦湾側だ。(軟弱地盤があって)完成しないのに」とけん制した。

 防衛局は大浦湾側で見つかった軟弱地盤の改良のため、設計変更申請を県に提出しているが、県は慎重に審査を進めており、工事が完了する見通しは立っていない。

 新基地建設を巡っては、辺野古崎南側の一部、約6・5ヘクタールで昨年9月末までに海面からの高さが3・1メートルに達した。今年3月には4メートルまでのかさ上げが先行して始まっている。辺野古側の埋め立て予定地は最終的に海面から5・7~10メートルの高さまで積み上げる設計。

 会見で岸氏は「引き続き、辺野古移設に向けた工事を着実に進める」と強調した。