初の外間守善賞に齋木喜美子氏 沖縄児童文学研究を開拓 特別賞は加治工氏


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齋木喜美子氏

 沖縄文化協会(波照間永吉会長)は6日、沖縄に関する人文科学や社会科学の分野で優れた著書を対象にした「第1回外間守善賞」に、関西学院大学教授の齋木喜美子氏(59)の「沖縄児童文学の水脈」が決まったと発表した。特別賞には県立芸術大学名誉教授の加治工真市氏(82)の「鳩間方言辞典」が選ばれた。授賞式は6月26日午後5時、県立博物館・美術館で開かれる予定。

 齋木氏は、未開拓だった沖縄児童文学研究を地道に開拓してきた。選考では「沖縄の児童文学の作家・作者と作品を通時的に配列し、追求することによって、沖縄児童文学が決して『不毛』『空白』の領域ではなかったことを明らかにした」などと評価された。

加治工真市氏

 齋木氏は大学院生時代、県内で講演会を開いた外間守善氏に、沖縄の児童文学の歴史研究がしたいと相談し、助言や激励を受けたという。受賞を受け、齋木氏は「感謝し尊敬する外間先生の名前を冠した第1回の賞をもらえてうれしい。今後、アジアや南洋群島などグローバルな視点での研究にも取り組みたい」と意欲を見せた。

 特別賞の加治工氏は「尊敬する恩師の一人である、外間先生の名前を冠した賞を受賞し、感激している。現在は名護市屋部の方言辞典にも取り組んでいる。それぞれの地域で方言辞典が作られていけるといいと思う」と語った。

 同賞は沖縄文化協会の創立70年を記念し設立した。