日本の味、伝えたい ボリビアで開業2年 ラーメン店好評 県系3世・神谷さん


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開業2周年を迎えたラーメン専門店「Miso」の神谷あきらさん

 ボリビアのサンタクルス市で、県系3世の神谷あきらさんがラーメン専門店「Miso」を開業して今年で2周年を迎えた。鶏ガラと豚骨をベースとした2種類のスープと、自家製麺で7種類のラーメンを提供する。一番人気の「いちらくラーメン」は、ボリビアで人気の日本アニメ「NARUTO」の主人公うずまきナルトの大好物「一楽ラーメン」をイメージした。

 ボリビアでは数年前まで、日本料理店はすしがほとんどで、ラーメン専門店はなかった。オーナーの中田マルコスさんが、ラーメン店開業の構想中に店長を探していたところ、神谷さんと意気投合し、2019年3月に開店した。現在、サンタクルス市のラーメン店はMisoを含めて2軒しかない。

 店長の神谷さんはボリビアのスクレ生まれ、サンタクルス市出身。19歳から日本に出稼ぎに行き、15年間、浅草で電気関係工事の仕事に就いた。ボリビアに帰国後、料理人から指導を受けてラーメン作りの修行をし、創業に向けて準備をしてきた。祖父・健さん(旧東風平村出身)は1954年に琉球政府計画移民の第1次移民で移住し、父・強さんは産婦人科の医師を務めていた。

 神谷さんは今後、複数店舗の開業を目標に掲げる。ラーメン店を通して「これからもボリビアの人たちに日本の文化と、おいしいラーメンを伝えたい」と語った。

 (安里玉元三奈美通信員)