浦添総合病院の沖縄県浦添市前田の国家公務員宿舎跡地移転を巡り、総合病院を運営する仁愛会は8日、延期していた新病院建設について6月1日から工事を始めると表明した。浦添市内で開かれた住民との意見交換で明らかにした。市民ら約30人が出席し、賛成と反対の意見が上がった。
仁愛会は当初、3月中の着工を予定していたが、移転予定地周辺の一部の住民が「景観が損なわれる」「説明が不十分」として反発したため、着工を見送った。6月着工について、病院側は「救うべき命を早く救うためにも(建設を)進める」とした。屋上側に設置予定だった食堂の位置については「なんとか下げるよう前向きに検討を進めている」と話した。
反対派住民からは、景観や建物の高さ以外に、交通量の増加やドクターヘリによる騒音増加を懸念する声が出た。賛成する住民からは、病院機能強化による医療サービス向上や、前田地域の住民との交流などを期待する意見が上がった。