沖縄県内変異株の陽性率76% コロナ新規109人、1人死亡【5月13日朝】


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新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 県は12日、10歳未満から80代までの計109人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。2日連続で100人超の感染者が出た。感染力が強いとされる変異株「N501Y」の陽性率が76%だったことも明らかにした。変異株や大型連休の影響により、感染者数が再拡大に転じている恐れがある。入院中の90代男性が死亡し、新型コロナウイルスに関連する死者数は140人となった。
 
 宜野湾市内の社会福祉施設で5人が感染し、県は164件目のクラスター(感染者集団)と認定した。
 
 新規感染者を居住地別に見ると、那覇市が最も多く31人。沖縄市と石垣市が10人、うるま市は9人だった。年代別では20代が28人と最多で、50代23人、30代18人、10代10人と続く。
 
 新規感染者のうち、推定感染経路が判明しているのは30人。そのうち家族内感染は18人、職場2人、飲食4人、友人・知人4人。施設内感染2人となっている。
 
 変異株の検査は25件実施し、19件がN501Y変異株だった。那覇市では検査した11人中10人が陽性だった。宮古島市は7人中7人、南部は2人中2人が陽性で、この3地域を中心に変異株が拡大しているとみられる。
 
 まん延防止等重点措置が始まって12日で1カ月を迎えたが、再拡大の傾向がみられる。県の糸数公医療技監は「入院患者はそれほど減っていない中で増加に転じており、医療の逼迫(ひっぱく)を心配している。対策をしてきて感染者が減らないのは変異株の影響も否定できない」と危機感を示した。