辺野古ダム洪水吐工事「不要」 名護市が防衛局に回答


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 【名護】名護市辺野古の新基地建設に伴う、美謝川の水路切り替えの関連工事とみられる辺野古ダム洪水吐(ばき)付け替え工事について、市は12日までに市法定外公共物管理条例に基づく協議は「不要」との回答文書を沖縄防衛局に送った。市は、洪水吐の付け替え工事と美謝川の水路切り替え工事が関連するか否かについて判断を示していない。一方、防衛省関係者は両工事は関連しており、「今後、市と条例上の協議は不要」との認識で工事を進める考えだ。

 同条例は河川法や道路法が適用されない、市所有の河川や道路の敷地の適正利用を定めている。適用されると、美謝川の切り替えは市長の許可が必要となる。

 沖縄防衛局は4月21日、既に県に切り替えを申請している美謝川の水路整備予定区域に接続する場所に、既設の洪水吐を新たに付け替える工事の手続きについて、市に照会した。市の担当者は工事箇所が「辺野古ダム底面にある(市法定外公共物の)里道・水路に触れない」として協議は不要と判断。5月6日に文書で回答した。防衛省関係者は美謝川切り替えに向け、「今後、他に条例上の協議が必要になる手続きは予定していない」と説明。これに対し、市の担当者は「美謝川切り替えの関連工事とは判断していない。照会があったことについて対応していきたい」と回答した。

 防衛局は昨年度、辺野古ダム洪水吐付け替えのためのボーリング調査を実施。市は調査地点が市有地でないことなどを理由に同条例を適用せず、調査を認めた。美謝川切り替えについて、市は「防衛局から協議の申請があったら判断する」との考えを示していた。