県の中高生バス無料化 申請は支援予定の76%にとどまる


社会
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 沖縄県が実施している住民税非課税世帯などの中高生を対象にしたバス・モノレール通学費無料の支援を受けている生徒が、支援予定者数の76・8%にとどまっている。玉城デニー知事は子どもの貧困対策を県政の最重要政策と位置付けているが、対象生徒や家族への周知が不十分だったとみられる。県教育委員会は「各学校を通して申請してほしい」と呼び掛けた。

 私立学校の申請を取りまとめる県総務部総務私学課、国公立学校の申請を取りまとめる県教育庁教育支援課によると、2021年度の県予算申請時の支援予定人数(4485人)に対し、4月末時点で支援を受けている生徒は3443人(達成率は76・8%)にとどまる。内訳は国公立で3239人、私立で204人。

 4月末時点の支援決定者は高校生のみだった。担当者は「4月末の数字には含まれていないが、少しずつ中学生から申請が来ている。これから数が増えていくはずだ」と話した。

 中高生のバス通学無料化は、玉城知事が2018年9月の知事選で目玉の公約の一つとして掲げた肝いりの政策。それまでは「県ひとり親家庭高校生等通学サポート実証事業」や「県高校生等の通学費負担軽減措置(モノレール)」で、通学費の半額を補助していたが、20年度から住民税非課税世帯や児童扶養手当の受給世帯で県内の高校、高専に通う生徒に対象を拡大。県教育委員会の予算を活用してバス・モノレール通学費を無料化した。

 2021年度の予算は5億9948万円(前年度比1億8314万円増)。住民税非課税世帯や児童扶養手当の受給世帯の県立中3校(球陽中学、開邦中学、与勝緑が丘中学)と私立中にも対象を拡大した。