<シネマFOCUS>「ラスト・フル・メジャー」 救われた元兵士たちの闇


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 ベトナム戦争の映画といえば、とにかく血で血を洗う惨劇の連続。そんなベトナム戦争を題材に描く本作の舞台は、激戦を戦った兵たちのことが忘れさられつつある1999年アメリカ。傷を抱えた元兵士たちと、ベトナム戦争を知らない一人の若者との交流を通し、30年前に封印された真実を暴いていく物語。

 主人公は、野心溢(あふ)れるペンタゴン空軍省官僚のハフマン。昇進試験を目前に控え、30年以上も請願され続けたある兵士の名誉勲章授与の精査を任される。勲章授与の候補者は戦死した医療兵ピッツェンバーガー。激戦地最前線に降りたち、60人以上の負傷兵の命を救いながら、自身は弾丸を浴びて犠牲になったという。

 生き延びた元兵士たちに聞き取りをするうち、ハフマンは、勲章に値するピッツェンバーガーの勲功を知ると同時に、救われた命を謳歌(おうか)できぬほどの深い傷を抱え続けてきた元兵士たちの闇に触れる。名誉勲章授与が却下され続けてきたことは、彼らの傷をさらに深くしていた。監督はトッド・ロビンソン。
 (桜坂劇場・下地久美子)